FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

菜根譚(著者洪自誠)


菜根譚(さいこんたん)は、中国の古典のひとつ、前後2巻から成る。
前集222条、後集135条から構成され、中国明代末期の隠君子洪自誠の著書。
その思想の根本は、儒、仏、道、の三教一致の立場から説く思想書である。
思想書とは言っても、その体裁は、随筆または語録とみなすべき物。
前集は、主として人の交わりを説き、後集では自然と閑居の楽しみを説いた書物である。

天の理それに基ずく人倫道徳から、人生の様々な処世訓を与えている。
禅僧の間などで盛んに愛読されてきたと言うが、私の持っている「菜根譚詳解」
荒井石禅師校閲は、その最たるもの。
もうひとつの著者、吉田公平の菜根譚は、現代風の訳。
私の目からみると、前者はあまりにも説明のし過ぎ、後者はどうしてそうなのか
もっと、その解釈が出て来た根拠を教えてほしいという感じ。

私の訳は、言ってみればこの二つの中間。

a1-0002.jpg

上記の2冊が、私の参考書。
スポンサーサイト

菜根譚-031(富貴家宜寛厚)


社会的な地位もあり、財産にも恵まれている者は、普通他人に対し
寛大で慈しみがあると思われがちである。
しかし、それに反して猜疑心が強く無慈悲な場合が多い。

これは富貴でもその行ないは、貧賎な人のものである。
これでは、どうして福碌を永続できるであろうか。

また、聡明で才知豊かな人も、それを表にあらわさず、いざという
時にそれを発揮すべきであるが、それに反して才能をおっぴらに
見せびらかす。
これはでは聡明でも、暗愚の人となんら変らない。
このようなことでどうして失敗しないと言えようか。

菜根譚-030(事窮勢蹙之人)


人それぞれに、いろんなことに着手しながら、なんらの実績も無く
すべて失敗に終わり、進退窮まった時は、まずその初心に帰るのが
肝要である。
さすれば、何が間違いであったのかが、自然に分かるのである。

また、やること成す事すべて成功して、事業を十分に成し遂げた人は
その終わり、すなわち進退をよくよく考えなければならない。
その機を過った故に、汚名を残した例がいかに多いことか。

菜根譚-029(憂勤是美徳)


何か事業をする上で工夫しながら努力することは、立派なことである。
しかし、そのことのために、あまりに心配しすぎれば、心の余裕をなくし
かえって、働く楽しみが奪われてしまう。

また、淡白で何にも囚われず、事物に執着すること無く暮らすことは
確かに高尚であこがれる。
しかし、それも度を越せば、人を助け物を利することが出来なくなる。

菜根譚-028(処世不必邀功)


この世に処して、何か大きな事業でも起こして功績を残したい
と思うのは、世の常の人の求める所であるが、過失のないように
無事に一生を終えることも立派な功績である。

また、人に恩徳を施して、それに感謝せしめよう等とする
それより、人の恨みを受けることがないようにするほうが
それで、十分に立派な恩徳である。

菜根譚-027(居軒冕之中)


国の重責を担う高い地位にある時は、天下国家を思い
思案をめぐらせねばならないが、時としてそこに安住しがちである。
よって、名利に左右されない、山林で隠居しているような趣がなくてはならない。

また、あまり世の中と接することなく、山野を住家としている者は、
そのような境遇にあったとしても、天下国家を収めようとする気持ちを
抱いていなければならない。

菜根譚-026(飽後思味)


食欲を十分に満たした後に、うまい、まずい、などその味の
ことを考えても、今更何かを食べてみたいと思わない。

情事の後に淫欲を思ってみても、十分に満足した後であるから
男女の情交に対する考えは消え失せてしまう。
人は、常に事の終わった後に来る後悔をわきまえて、
行動するならば、心が定まって、間違いがなくなる。

菜根譚-025(矜高倨傲)


他人に対しておごり高ぶったり、傲慢な態度をとるのは、
客気と言って真の元気ではないのである。
この客気を修めて初めて、志気すなわち、真の元気が芽生える。
また、この世的な欲望や打算的な知恵は、すべて妄念の表れで
本心ではないのである。
それ故、その妄心を滅っし尽くして、本当の心が表れる。

よくいい話を聞いて力が出るがそれは客気のことだ。
本当の気とは、志気から志(こころざし)から発するものだ。
他人から言われてやる内は、まだ本物ではないわけだ。

菜根譚-024(糞虫至穢)


堆肥の中に生ずる虫は、極めて汚いが、この虫が化してセミになり、
木々の間を飛びまわり、秋風の中、葉蔭で露を飲む。
腐った草に光はないが、この腐草が化してほたるになり、夏の月夜に
光彩を放って飛びまわる。

このように、潔いものは、いつでも汚れたものの中から生まれ、
明かなるものは、いつでも薄暗い所から生まれるのである。

菜根譚-023(攻人之悪)


人の悪を攻(せ)むるは、太(あまり)にも厳なることなかれ、
その受くるに堪えんことを思うを要す。
人に教うるにも善を以ってするは、高きに過ぐることなかれ、
当(まさ)にそれをして従うべからしむべし。

この世を渡っていく中で、時には忠告しなければならない時がある。
しかし、他人に忠告して改めさせる時は、あまり厳しすぎるてはいけない。
相手が、こちらの言を受け入れるかどうかよくよく考えるべきである。
また、人に善いことを伝えて実行させようと時は、あまり高過ぎては
だめである。
相手実行出来ないようでは意味がないからである。

よく父子の間で善を責めずとか、進言に四難ありというが
相手を知るだけではなく、自分をもあきらかにしなければ
返って逆効果になってしまいかねない。
何ごとも悟るように導くのが上策である。

菜根譚-022(好動者)


常に、世事に忙しく動き回ることが好きな者は、雲間からもれる
雷鳴や風に揺れるともし火のように止むことがない。
また、静寂を好む者は、火の消えて冷たくなった灰や、
枯れ木のようなものである。

何事も偏ることは、失敗の元である。
静、すなわち、動かない雲や流れない水のようでありながら、
鳶が飛翔し、魚が水中を躍るような好機を捉えるまで動かず、
いざとなれば、さっと動く普段からの修養が肝要である。
之こそ、道を体得した者の心ばえである。

菜根譚-021(家庭有個真仏)


家庭は、本来備わった(本性)真仏をもった、親、兄弟の集まりであり、
日常出合う事柄の中に、真正の道があるのである。
何となれば、人々が誠実な心をもって和気藹々とし、常に笑顔を絶やさず
愉快にすごし、一家団欒でお互いに分け隔てなく生活する事。
さすれば、何も座禅をし、調息、内観、するなどの修行の必要はないのである。

菜根譚-020(事事)


人は得てして、何事かをなそうとする時に、全勢力を傾けて
あたろうとする。これは、別に悪い事ではないが。
不測の事態に遭遇したとき、それに対処する余力がない事になる。

よって、何事も余裕を持って当たれば、造物主も我を嫌うことはないし
鬼神も我を憎んで損害を与えることもない。

もし、仕事で多大な業績を求め、功績を残さんとすれば、内側から瓦解するか
または、外部から邪魔が入って、にっちもさっちも行かなくなる。

菜根譚-019(完名美節)


世間の人がうらやむ名誉や節義は、兎角嫉妬を受け易いもの
であるから、ひとりじめしてはならない。
その幾分かを、分け与えるようにすれば、他人の危害から身を
守る事が出来る。

また、恥辱や汚名は人の忌み嫌うものであるから、これを全て
他人に押し付けてはいけない。
たとえ、自分には関係ないとしても、幾分かを自分で引き受ければ、
謙虚に人格を磨くことが出来る。

菜根譚-018(蓋世功労)


世間の人が、誰でも認める学問、芸術、事業の分野で
功績を立てた人でも、それを鼻にかけ自慢するようでは
その事の為に、その大功も台無しになってしまう。

世の人が、等しく憎み憤る程の大罪も、心から悔いて
懺悔すれば、その罪過は消滅していまうのである。

菜根譚-017(処世譲一歩為高)


退くことが、とりもなおさず進む伏線になる。
人には寛大に接することが結局、福をもたらす。
人のためにすることが、自分のためになる基である。
情けは人のためならずというが、めぐりめぐって自分に返って
くるのだろう。

菜根譚-016(寵利毋居人前)


人から与えられる名誉や利益は、当然受けるべき理由があってもなるべく
控えめにするの方が、人から妬まれることがないので、後々のためである。

また,徳業は他人より先に実践するように心がけ、人後におちることの
ないようにしたい。
次に、人から金品等をもらう場合には、その分限を超えてはならない。

最後に、学問や修道の道において、決して手を抜いて楽をしようとせず
自分の力の限り努力しなければならない。

菜根譚-015(交友)


交友関係を円滑にするには、互いに助け合う義侠心がなければならない。
利によって付いたり、離れたりするのは真の友道ではない。

世の人から認められる人間になるには、人を受けいれる寛容さと
何にも染まらぬ素心がなければならない。

菜根譚-014(作人無甚高遠事業)


人として出世して大事業を成さなくても、名誉欲、物欲等の世俗の念を
脱し終えれば、すでに一人前の立派な人物となったと同様である。

学問をなして修養し、己の精神を磨か無くても、外物にとらわれること無く
独立心があるなら、聖人の境地に達したとも同然である。

菜根譚-013(面経路窄処)


幅の狭い小道では、自分は一歩留まって他人を先に通してやるのが良い。
また、美味しい食物がある場合は、それが自分の分であったとしても
七分で満足して、三分を他人に分けて上げる位の心構えがほしいものである。

この様にする事によって、世を楽しくわたる事が出来、身を処す安全な
方法なのである。

菜根譚-012(面前的田地)


今現在こうして生きている我々の心の持ちようは、出来るだけ
誰に対しても寛容で、不平不満をいだく者がないようにしたい。

また、自分の死後に残す恩徳は、後世に長く伝わるようにして
置くのが最善の道である。
そうすれば、いつまでもその恩恵を忘れる事がないのである。

菜根譚-011(藜口筧)


食物の葉をあつものにしたような、粗末な食生活で生きている者は、
その心が清浄で光輝く玉のように清い者が多い。

その反対に美食豊満で、華美な生活を送る者は、下僕が主人に追従する
ごとく卑しい心で生きている者が多い。

すなわち,志は淡白な生活で磨かれ、飽食な生活により失ってしまうのである。

菜根譚-010(恩裡由来生害)


上の者から恩を受け、事がスムーズに運び、得意になっている時は
満れば欠るの例えのごとく、災難に会いやすい。

そういう時こそ、自分を冷静に見つめ、何か落ち度はないかと、
反省すべきである。

その逆に、失敗したからといって、失望する事はない。
あきらめなければ、必ず成功するものである。
意に添わぬ事でも、我慢して乗り越えていけば何事でも
成し遂げる事が出来る。

菜根譚-009(夜深人静)


夜深く静まり、寂として声無き時、独り静かに己の心を観ずれば、
そこで、初めて妄念が消えうせ、清明なる本心が表れてくるのを感ずる。
つまり、この時において、本来の性に返ったのである。

しかしながら、このように本心に反っても、なかなか妄念を捨てきれないと
感じれば、更なる懺悔の心が生じて来るのである。

菜根譚-008(天地寂然不動)


天地は、しーんと静まりかえって、動かないようであるが、やむことなく
活動しているのである。
太陽や月は、常にその軌道を外れる事無く運行しているが、その光明は、
永遠に変らないのである。

これをしてみれば、人の道もこれと同様である。
君子たる者は、暇な時でも常に変事に備える覚悟がなければならない
また、忙しい時でも、ゆったり構える心構えがことが必要である。

菜根譚-007(醲肥辛甘非真味)

濃い酒や脂っこい肉、唐辛子のような辛すぎるもの、砂糖の
ように甘すぎるものは、本当の美味しさではない。
本当の味は、現代風に言えば無農薬で育てた、御茶や御米
等、それ自体で美味しく感じる淡白なものである。

また、本当の人間は、何か不思議な力があったり、
行ったりする人をいうのではない。
真に道を修めた人間は、道理に外れない、ただそれだけの
偉大な平凡人なのである。

菜根譚-006(疾風怒雨)


雨風が激しい暴風雨の日は、鳥までも寂しく悲しげに鳴く、しかし
天気明朗で、さわやかな晴れた日は、草木までも喜ばしげに見える。

こうしてみると、大自然はたとえ一日でも穏やかで和らぐ日が
なければならない。
人の心も同じで、一日であっても無邪気に喜ぶ気持ちがな
ければならない。

菜根譚-005(耳中常聞逆耳之言)


昔から忠告の言は、耳に痛く聞こえ、良薬は口に苦しと言う。
そういう、心に添わない事を聞き、平生心に反する事ばかり
あるような時には、自分を磨く砥石と考え修養に努めねばならない。

一方、他人の言葉が快く楽しい事ばかりなら、用心せねばならない。
あたかも、自分の人生を毒の中に沈めてしまうようなもので実に
恐るべき事である。

菜根譚-004(勢利紛華)


権勢、名利、富貴、華美、は、時として人の心を損なうものであるから
近ずかない方が、潔いのである。
それにもまして、近づいていても染まらない者はもっとも潔い。

また、権謀術数は君子のもっとも恥じとするものであるから、
これを知らない者は、潔しとするが、知っていてもそれを用いざるは
もっとも尊い者である。

菜根譚-003(君子之心事)


君子の心もちは、誰もが仰ぎ見る事の出来る天や白日のように
公明正大で明白でなければならない。
しかし、その才能はもっとも大切な宝玉のように奥深く秘めて
決して他人に誇ってならないのである。

なぜなら、その人間がどういう人なのか分からなければ、安心して
近ずきがたいし、あまり才能が表に現われ過ぎると反って人から
妬まれるからでる。
プロフィール

天地有情

Author:天地有情
孔子像(湯島聖堂)
kousi-0001.jpg

菜根譚の原文、書下し文は、こちら。
http://fanblogs.jp/yositugu88/

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
フリーエリア
フリーエリア
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。